週刊現代も燃費不正?
現代ビジネスのこちらの記事、主旨はわかるのですが、使われている週刊現代の燃費達成率データが世論を煽るために細工されているようで・・・。
同じ車でも複数のグレードがあります。
グレードごとに燃費が異なるのですが、この記事の燃費達成率の表は、どのグレードの「JC08カタログ燃費」を採用しているのか明確ではありません。
そして「e燃費のデータ」ですが、「数値は歴代車種の数字を平均したもの」「直近90日以内のデータを元に集計したものから抜粋」とのこと。
これが、どのように集計したのかも書かれていません。
例えば、表の一番上の「スバル プレオ」ですが、JC08モードカタログ燃費が”32.6km/リットル” との事ですが、スバルのサイトでみても、e燃費を見ても、そんな数字が見当たりません。恐らく32.2km/リットルの間違いでしょう。カタログ燃費を大きく書いて、実燃費とのギャップを強調しようとしたと言われても仕方ないミスです。
週刊現代による燃費達成率ワーストTop 5車のJC08 モード燃費データに該当するグレードの2016年6月18日22:00PM時点で e燃費での燃費達成率と週刊現代を比較してみました。
*1:JC08 モード 31.0km/リットルのグレードは2つあったのでどちらも掲載
*2:該当するモデルがなかったので最も近いものを選びました。
週刊現代のデータとは大きな乖離があります。
どうして、週間現代とe燃費の達成率データに差がでたのでしょうか。
週刊現代は、e燃費のデータを参考にしたと書いていますが、上記のようにe燃費のデータよりも低い値が掲載されています。
扇情的で読者を欺こうとしていると揶揄されてもしかたない内容です。
・JC08 モード=悪
・なぜなら、実燃費との乖離が大きすぎるから
というストーリーがまずあって、それを正論として見せかけるには、JC08 モードより実燃費が低いことを強調する数値を使いたかったのかもしれません。
燃費不正の問題を扱う記事で、データを不正するとは・・・。
現在のJC08モードは消費者にとって正しい指標とはいえません。
MT(Manual Transmition)のほうがCVTよりも動力伝達効率がよく、軽量で燃費は優れているのに、JC08モードの燃費の計測方法上、CVTのほうが有利であるため、カタログ燃費上、MTとの差は、実燃費の差よりも、かなり大きくなっています。
そうなると、JC08モードはむしろCVTのほうへ誘導していることとなり、消費者の購入時の判断基準となるどころか、かえって惑わせていることになります。
さらに、実燃費とカタログ燃費の差で、消費者は欺かれたという不愉快な思いをさせることになっているなら、購買体験の悪化につながるので、販売側にとっても無意味でしょう。
燃費不正の問題は、”エコカー減税”という、消費者の購買を促進するかのような制度です。
国があえて、ここまでする必要があったのか、はなはだ疑問です。
国土交通省も、そして週刊現代も、短期的に煽ろうとするから、不正を招くことになるのではないでしょうか。
だんだん、だんだん。