挑戦的に対処せよ! ~ 「広うてよう走るやんか」ダイハツミニカー開発秘話 西田弘著
マーケティングの勉強のために読みました。
1977年発売のリッターカー、「シャレード」の開発ストーリーです。
マーケティングに携わる者として、この本は大変参考になりました。
特に印象に残ったところをメモとして抜粋して記します。
■商品企画と製品開発・・・第2章 48P
「商品は企画、製品は開発」
■商品コンセプト ・・・ 第3章 73P
「・・・商品を企画開発する連中は、えてして車両性能、機能といった
ハードウェアにすぐさまとっかかるものだから、
商品コンセプトをつくろうという考えも意志もなかった。」
■商品コンセプト ・・・ 第3章 74P
「コンセプトを的確に表現するには、言葉えらびはたいへんむずかしい。」
■はじめにユーザーありき・・・ 第3章 75P
「”お客様の声は大事”というが、今乗っている車の不満を言っているだけ。
将来の車のことはわかっていない。
だから声を聞けば、改善になってしまって、改革につながりにくい。」
■見識と自信 ・・・ 第5章 121P
「自信と自尊心を混同するな・・・
自信なければ自尊心を捨て自信ある人間の言動に
謙虚に耳を傾けることこそ、
人の上に立つ者の品格というべきと思う。」
■窮地と境地 ・・・ 第6章 133P
「感性で勝負するデザイナーは”境地”に立たせれば、ますますいいものをつくる、
理屈で考える技術屋は”窮地”に追い込めば、ますますいいアイディアを出す。」
著者は、”コンセプト”を単なる概念とせず、「物事の狙いとか概要の核心をいくつかの語句、または短い分でまとめ上げたもの」と定義しています。
その語句はギュっと圧縮されたものなのだと感じます。
”窮地”ですが、「インサイドボックス」という本がこれをテーマにしていました。
- 作者: ドリューボイド,ジェイコブゴールデンバーグ,Drew Boyd,Jacob Goldenberg,池村千秋
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/05/15
- メディア: 単行本
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しかし、1995年初版の日本の本が、既にこの点を指摘していて、さらに”境地”という別の創造的思考を生み出す方法まで見つけ出していたとは、驚きました。
すっかりダイハツのファンになってしまいました。
だんだん、だんだん。