三菱自動車 燃費データ不正 数字という目標に逃げた経営者
三菱自動車の燃費データの不正について、社長は事実を把握していたか考察してみました。
こちらの記事によると、新型eKワゴンの開発に際し、他社の影響で、途中で燃費の目標値が上がってしまったとのこと。
燃費を向上させるには、
- エンジンの燃焼効率の向上
- 変速機の動力伝導効率の向上
- 車体の軽量化
など、いくつかのポイントがあると思います。
各部で、燃費性能についての目標数字があって、進捗会議で、達成状況が共有されていたのではないかと。
進捗の確認において、開発者は、各部が持ち寄ったデータを見れば、燃費向上の目標値に達するかどうかは、把握できたと思われます。
日産との初めての共同開発で、戦略的に重要な車であり、わざわざ途中で燃費目標を高く設定したのなら、その達成状況について経営者に報告がなかったとは考えにくく、だとすれば、益子社長は”不正を知っていた”と考えられます。
燃費の不正について、不正を暴かないまでも、燃費至上主義はやめるべきだ!
と、誰かが指摘したとして、
「他メーカーも不正をやっている、自分たちだけが正直なデータを使ってバカを見る必要はない」
と押し切られてしまったかもしれませんし、
「消費者にとって、最もわかりやすい指標は”数字”なんだよ!
燃費という数値の向上とそれの訴求が最優先に決まってるだろっ!
じゃあ、燃費以外に、どんな手があるというんだ?」
と言われてしまえば、なかなか対案を出すのは難しいかもしれません。
eKワゴンには、コンセプトがあり、個性を持たせ、それによってもたらされる固有の”新しい”価値があったのだと思います。
他社に無い価値、新しい価値、というのは前例が無いだけに、その成功を予測するのは難しく、信じる勇気が必要です。
数字目標を掲げる事のほうがよっぽど楽です。
結局、経営者、経営幹部は、
”数字に逃げた”
のだと思います。
車を取り巻く環境、街並み、気候や風土、乗る人の生活、そんなことに想いを馳せながら哲学的な目標を立てたり、数値では表現できない価値観を追求する努力が必要だったのかもしれません。
だんだん、だんだん。